さくらいふ

28歳女ひとり、インドと日本の狭間で

留学中の人づきあい

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リラックスしきったちょっとセクシーな子犬

 

バラナシの人間関係は狭いので、長く滞在していると町中の人に顔と名前を覚えられる。昔からの観光地なので、ビジネス目的で話しかけてきたり、女というだけで仲良くなろうとしてくる人も多い。

そんな中で、「この人とはもう今後話さない」と決め絶縁状態になった人も何人もいる。逆にいうと、誰とでも仲良くしていい顔して生きていこうとするとすごく疲れる。

言い方が悪いけど、「人間関係の選別」は長く住むためには不可欠だった。そもそも、インドの地方は女性の社会進出があまり進んでいないので、外で働く女性が少ない。ヒンディー語クラスにインド人はいないし、現地で女性の友達を作る機会がほぼなかった。

そんな特殊な環境の中でも、自分のことを外国人として扱わない、お金やその他の目的があって近づいてくる訳でない、ただただ純粋な人と人との付き合いをしてくれるインド人と、たくさん出会った。

旅でインドに行くと、日本人は相場が分からなくて一部の商売人にぼられたり、詐欺にあったりしがちだけど、一般的なインド人は仲良くなったらお金のやり取りをしたがらない。一緒にご飯食べたりチャイを飲んだりしても、おごらせてくれないし、割り勘にもしたがらない。

ちなみに私はバラナシでは、絶対にお金を受け取ってくれないチャイ屋が一軒、レストランが一軒、ヨーグルト屋が二軒、いつもタダでパンをくれるカフェが一軒ある。そういう所は申し訳なく感じて結局あまり行かなくなるんだけど

なんでこんなに良くしてくれるんだろう?といつも考える。

答えは未だに出ないけど、インドはひょっとすると日本以上に「おもてなし」の文化があるのではないかと思う。家に来客があれば、必ず一杯の水をすぐに差し出し、その後チャイやお菓子など振る舞う。お腹空いていない?ご飯は食べた?といつも聞いてくれる友人達。一袋のスナックでも、一つのサモサでも、まず周りにいる人に分けてから自分が食べる。

そういう文化だ。自分に余裕があったり、豊かだから分け与えるんじゃなくて、持たざる人ほど分かち合う心を持っていることが往往にしてある。

インドのこの文化にふれてから、日本でも何かを食べる時、なるべく周りに分け与えるのを心がけるようになった。

留学中はインド人たちに支えられ、家族の様によくしてもらった。今でも、バラナシに行くたびにチャイ屋の親父やヨーグルト屋の親父、職業不明のおじさんなど、「そろそろ来る頃かなと思ってたよ」とか、「こんなに長い間どこに行ってたの?」「一ヶ月しかいないの?短か!」と迎えてくれる。そんな言葉を聞くと、ああ帰って来たなあ、と思う。

一ヶ月のバラナシへの卒業旅行も、もう残り1週間を切った。

I already start missing here so much.

来月末からムンバイの大学院に行くのでインドにはすぐ戻って来るのだが、バラナシとムンバイは列車で30時間。休みもそんなに無いし課題も多いのでそう気軽に行ける訳ではない。

またここに帰ってこれる日を楽しみにがんばろう。

 

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