さくらいふ

28歳女ひとり、インドと日本の狭間で

28歳、人生になやむ

ナマステー

ご無沙汰してます。

ここ数ヶ月はブログはおろか、ツイッターもほとんど更新しない日々だった。

最近、今後の身の振り方について漠然となやんでいる。 

28歳の誕生日を迎えてから特に考えているのが「起業」と「結婚」と「出産」についてである。

 

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別府の海

私はかねてから公言しているとおり、インドの児童労働問題にとりくむため、来年インドに戻って起業しようとしている。

今まで人生の岐路に立った時はいつでも、自分の根幹にある、ぶれることのない「インドの子どもたちのために何かしたい」という気持ちを軸に全てを選択してきた。

だからインドで鬼の大学院2年間も無事修了できたし、就活した時も特にめちゃくちゃ悩むことなく、一番確実に目的を実現できそうな起業という道を選択した。

 

起業に伴走してくれ、資金も出して後押しをしてくれる今の会社に入って起業への修行を始めて半年。利他精神と行動力にみちあふれて心から尊敬する先輩や同期とたくさん出会ってきた。

本当に素晴らしい会社と出会えたと思う。

そう思うと同時に、自分は本当に起業できるのか?

従業員の人生を背負えるのか?

不安だらけの自分がここにいていいのか?

そんな気持ちがどんどん大きくなってきた。

 

起業することとは別に、結婚と出産のタイミングについても考えたくなくても考えてしまう。

私は10代〜20代前半までは、「まあ自分の目的を達成するのが最優先で、そのためには結婚できなくてもいいや。インドで養子をひきとって暮らそう」と思っていた。

でも25歳あたりから「あたたかな家庭を持ちたい」「子どもを産みたい」という思いが自分の理性や意思とは裏腹に体の内側から湧いて出てくるようになった。

これは女性ホルモンの仕業だろうと思う。人類が種を存続していくためにいわゆる「適齢期」になるとそういう思いを持つようにプログラミングされているのかもしれない。

 

周りの同い年の友達は、「27歳を超えたら結婚を前提にじゃないと人と付き合うことは有り得ない」とまで言っている。私はどちらかというと未来のことは誰にもわからないのでcarpe diem的な精神で恋愛をしてきたし、今もそのスタンスは基本変わっていない。

でも、お互いの汗臭さまで知ってるような中学の同級生がいつの間にか結婚してるのをSNSで知ったり、頼りなかった後輩が子どもを産んで立派にお母さんしてるのを見たりすると、「自分はいつになったら結婚して家庭を持てるのか?」という問いがくりかえし頭をよぎる。そんな問いに蓋をして、見て見ぬふりをして、今まで生きてきた。

だってまた来年インドに戻って起業したら、結婚なんていつできるかわからないから。

ましてや子どもなんていつ産めるのか本当にわからん。

 

早10年、インドに通い続けている私は、「よっぽどインド好きなんだね」と思われることが多い。でもむしろインドと私の関係は腐れ縁とか、愛憎関係と表すほうがしっくりするくらいキラキラしたものでは全くない。

 

インドやアフリカなどの途上国で暮らした人は特にわかると思うが、日本は圧倒的に生活しやすい。生活においては最低限のお金があればノンストレスで生きていける。

インドのように便器からドブネズミがこんにちはしたり、シラミに頭をついばまれることもない。

デモが起きて外出できなくなったり、ビザの更新のために役所と喧嘩することもないし、一歩外に出れば外国人だからとじろじろ見られることもない。満員電車のドアがなくて外に振り落とされないように死に物狂いになることもない。

世界レベルでやばいPM2.5健康被害を心配したり、原因不明の熱や下痢に悩まされることもない。人の家にお呼ばれして食べたカレーが辛すぎて食道が焼かれるような感覚を覚えることも、ない。

日本は寿司やケーキが食べたいと思えばいつでも食べられる。胃に優しい食事のオプションがある。あたたかいお風呂に入れる。少し足を伸ばせば綺麗な海や山や川がある。

 

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日本にいると「当たり前」なこと全て、インドにいれば喉から手が出るほどほしいもので、でも全部忘れて生きていくこともできる。

 

インドにいて大変なことは、生活面よりもむしろ精神面かもしれない。

家の一歩外に出れば物乞いがいる。

スラムに行けば学校に行きたいけど行けない子どもたちがいる。

息抜きにちょっといいカフェにでも行こうと出かけると、信号待ちで物を売る子どもに会う。

「自分は何をしてるんだろう」という気持ちになる。

カースト、宗教、貧富の差、汚職や腐敗、女性蔑視など、複数の社会問題が密接に絡まり合って底が見えない。

 

「もういっそインドのことを記憶ごと消し去って、全て忘れて生きていければどんなに楽だろうか」何回も思った。

「普通の女の子に戻りたい」そんな昭和アイドルみたいなフレーズも頭によぎった。

 

でも絶対にインドを忘れられないし、半永久的に距離を置くこともできない。

 好きとか嫌いとか、そんな言葉では到底表すことができない。「第二の故郷」ですらない。

しいて言うなら人生の一部だろうか。

だから私には「インドに帰らない」という選択肢はないのだ。

どんな形でもいいからインドの子どもたちのために何かしたい。そばにいたい。

 

インドに帰って子どもたちが働かなくていい社会をつくる。

結婚も出産もする。

あたたかい家庭をきずく。

引退後には喫茶店も営む。

これら全てを実現できる道を模索していくしかない。

それがどんな形を取るのかまだ今はわからないし決められていないけど。

 

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こういうの撮るの好きやねん

28歳。なやみながらもがきながら今を生きる。