さくらいふ

28歳女ひとり、インドと日本の狭間で

共感しすぎてしまうあなたがつぶれないために

どうも、ナマステ!

今日は共感性の高さについてお話しようと思う。

最近よく聞く、HSP(Highly Sensitive Person)。他人の言動に共感性が高かったり、人一倍感受性が強かったりする人のこと。

私は別に自分がHSPだ!と思ったことはないし、むしろ人間誰しもこの気質は大なり小なりあるんではないかなと思っている。

怒られている人を見たら自分のことのように心が苦しくなったり、苦しんでいる人がいたら何とかしてあげたいと思う気持ち。

でも人への共感やシンパシーが強いと、自分自身がだめになってしまうくらいダメージを受けることもある。

 

f:id:sakura7hara:20201122172625j:plain

 

私は神戸の大学を卒業後、インドの大学院で2年間ソーシャルワークという学問を学んだ。
ソーシャルワークは、日本語に直すと社会福祉のようなもので、インドではNGOをはじめ福祉施設や医療施設、政府機関でソーシャルワーカーが草の根的に活躍している。

ソーシャルワーカーの仕事を簡単に言うと、困っている人に寄り添い、相談に乗って解決方法を提示したり、必要であればサポート機関に繋いで、問題解決までしっかり伴走すること。

私は子どもと家族に特化したソーシャルワークの学科だったので、重度の障害を持った子どもと母親のケアをしたり、スラムで学校に行きたいのに親に許してもらえない子どもを入学させる活動などをしていた。


クラスメートは、売春宿から救出された少女たちのカウンセリングなども行なっていた。 

クライアント(相談に乗る対象者)に必要以上に感情移入してしまうと、自分自身のメンタルがつぶれる、ということは授業でもよく習った。

プライベートな自分と、プロフェッショナルな自分を使い分けましょう、とよく教授陣に言われた。

インターン先で、少女の強姦事件などにも関わっていたソーシャルワーカーは、「プライベートで全て忘れてほっとする時間も作らないと、ショックなことが多すぎて夜も眠れなくなる」と言っていた。

 

私は夜も眠れないようなケースに出会ったことはなかったけど、自分の恵まれた環境に罪悪感を感じるようになっていた。
スラムで、陽の当たらない狭くて非衛生的な部屋で暮らす子どもたちと接して、自分の部屋に帰ると、スラムの家族が5人で暮らす部屋よりも広くて、清潔な部屋が自分だけのためにあって、水道からは水もお湯も出て。
庭には何にも使われていないけど広いスペースがあって。

もし学業に挫折して日本に帰っても、バイトすれば最低限食べるのに困らずに生きていける。自分には逃げ場も帰る場所もある。それがつらかった。

休みの日に息抜きにちょっといいレストランへご飯を食べに行こうとすると、排気ガスにまみれた交差点でティッシュを売る小さな子どもに出会う。ボロボロの服で路上に暮らす家族を見かける。

自分は何をしているんだろう、彼らに果たして何ができるんだろう、という虚しさとやるせなさが押し寄せる。


大学院の卒業が近づいて来て、就活を始める頃には、「このままインドにいつづけたら、自分がだめになるかもしれない」と心のどこかで思っていた。心身ともに疲れていた。

今の会社にご縁をもらい1年間は日本に戻ることになり、半年が経過した今、インドと少し距離を置いたことで自分の人生について考えたり、やっぱりインドに戻りたいという気持ちを再確認できた。


今は日本で働く外国人技能実習生の支援事業をやっているんだけど、全力で相談に乗っても、結局今の自分たちではどうにもできないことのほうが多い。
それに今はソーシャルワークではなくソーシャルビジネスをしているので、どこかで利益を出してビジネスとして継続するものでないといけない。

すごく頭も神経も使う仕事なので、何も考えずにリフレッシュする時間がすごく大事だなと最近実感している。休みの日はゆっくりヨガをしたり、自然の中に行ったり、漫画読んだり、自分と全然違う仕事している友達と話したり。

 

f:id:sakura7hara:20201122172724j:plain


前は「休んでいる自分」にすら罪悪感を感じていた。

けど今ははっきりと分かった。がんばるためには休まないといけないってことが。
ずっと動いて走り続けることが得意な人もいれば、休みながらゆっくり進むほうが最大のパワーを発揮できる人もいる。

それに、自分が動けない状態になってしまったら助けたい人も助けられない。

ゆっくり進むことが許されない社会の枠の中で、がんばりすぎてうつになったりや体を壊してしまう人が多いからこそ、自分に合ったペースで生きていける世の中になったらいいなと思う。

そんな世の中にしていきたい。

 

f:id:sakura7hara:20201122172920j:plain