さくらいふ

28歳女ひとり、インドと日本の狭間で

人生とは苦難である

ナマステ〜。

 

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日本はすっかりお盆休みで、友人たちが海外旅行行ったり帰省したりしてるSNSを指しゃぶりながら眺めてます。

こちらは4ヶ月間の雨季のど真ん中で、土砂降りの中スラム行ったり授業行ったりしてます。

 

記事のタイトルは、いつだったか旅人がインドで仏教を広めた偉い日本人僧侶に、「人生とは」と尋ねに行った時に返ってきたお言葉だそうです。

 

さて、大学院も残り9ヶ月となり、終わりが見えてきました。最近は卒業後の仕事について調べ始めて、いろんな方にお話を伺ったりしてます。ありがたいです。ペコリ。

留学を志している方が密かに私のブログをのぞいたりしてくれているそうで、インド留学のつらいこと(ていうかグチ?)ばっかり書いてて申し訳ないんですが、つらさにも種類があると思うんですよね。

私は自分がつらい時、このつらさはどこから由来するのか、どう行った種類のつらさか分析していて、多種多様なつらさがあると思ったので今日はそれをシェアしたいです。

 

①外国人としての疎外感

はい、これは留学経験者は誰もが通る道だと思う。特に私の大学院は99.9%の学生がインド人、教授は100パーインド人なので、授業でもヒンディー語かなり混ぜてくるし、生徒もヒンディーで意見言うし、インドのコアな政治の話とか、インド人にしかわからんギャグとか入るし、授業中の疎外感はある。私は基礎的なヒンディーは分かるので最近は聞き流してるけど、ヒンディー分からないので英語でお願いします、とは言うようにしてる。でもそんなの秒で忘れるのがインド人だから。

 

あと、どんなに自分がインドの社会のことを考えてて、インドの子どもたちのために本気で働きたくて、相当な覚悟でここまで来ていても、結局は外国人として見られるという悔しさ。別にインド人になりたいわけじゃないし、日本人としてできることは多いと思う。外国人として見られるのは本当に当たり前といえば当たり前なんだけど、なんてゆうか、言葉じゃ表せられない悔しさ。結局私はいつでも帰ろうと思えば日本に帰って、ソーシャルワーク以外でも食べていける訳で、極貧家庭から出てきて奨学金借りながら一家の期待を背負って勉強してるような人たちとは違うし。

でもいつだったか、そういう話をクラスメートにしたら、さくらはIndian by heart (精神性がインド人)だよと言ってくれて、どういう意味かというと国籍だけインド人のそこらへんの人達よりもよっぽどインドのことを理解しようとして、インドの子どものことを真剣に考えているから、立派なインド人だと思う、とのこと。

もしかしたら自分を最も外国人視しているのは自分なのかもしれない、と思った瞬間だった。その日から気持ちがだいぶ楽になった。

 

②物理的なしんどさ

課題、試験、プレゼン、グループワークの多さ。一つの課題が5000 English Wordsとかだから、10枚とか書かなきゃだし、まず書くまでに色んな文献をかなり読んで分析しないといけない。つらたん。

個人課題は自分が頑張ればいい話だけど、グループ課題は最悪。笑 期限を守らない、ギリギリになるまで全く動き出さない、ミーティングに現れない、責任ある仕事を避けるという特性をお持ちのクラスメートたちにいつも神経を削らされながらやってる。あと、口は達者だけど文章書かせると文法めちゃくちゃ、中身が無い(笑)、大文字小文字変換、ピリオドが抜けてるとか初歩的なミスが必ずあるので、添削の作業が大変。

③食事・生活環境

これはもう最初からわかってることだよね。特に今住んでるムンバイは、何もかもが辛い。度を超えた辛さ。そして油っこい。だから外食は基本的に食べたいものというより辛くなくてオイリーじゃないものを食べるかんじ。まあほとんどないけど。

辛いもの食べると鼻水めっちゃ出てくるし(アレルギーかな)、消化に良くないし、日本でも油こいものとか本当に無理で、雑穀ご飯と煮物とかが大好きな私なので、まあそこはなかなか修行ですね。

 

基本的に自炊してるけど、野菜とかも限られてるし、私の好きなキノコ類と葉物類がほぼ無いので、最近は野菜買う気も失せてる。疲れてるのかしら。

 

生活環境は、一人部屋だし申し分ない環境で住まわせてもらってる(家族ありがとう)。駅近だから夜12時くらいまでうるさいし、緑がないし、一歩外でたらジロジロ見られたりチャイニーズと言われたりするのは、慣れたけど心に余裕ないときはしんどいよね。

 

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インドのおかゆ、キチュリ。美味しくでけたよん


④レール外れまくってることへの漠然とした不安感

高校卒業してフリーターになった瞬間からレール外れまくって生きてきたけど、もうすぐ就職だし、インドから就活という例のない(あるっちゃあるけどごく僅か)状況、27歳という世間では結婚・出産適齢期で社会人経験ゼロからのスタート。色々考えるよね。自分の一番やりたいことを貫いてここまで来たけど、このままでいいのかな、って不安になるよね。子どもめっちゃくちゃ好きやし、母性本能溢れ出してるけど、自分のキャリアはやっとこれからだもんね。よく思うのは、自分が2体いたら、一人は南の島で幸せな家庭を築いて子育てさせて、もう一人はインドでバリバリ働かせたい。

 

⑤恵まれた立場にいることへの罪悪感、社会に感じる自分の無力さ

よく休みの日とか、もうストレス溜まってヤバい時にちょっといいカフェ行ったりアイス食べに家を飛び出したりするんですよ。そしたら、道中に物乞いしたり裸足で物を売る子どもがいるんですよ。ああ、この子はこんな環境で頑張ってるのに、私は贅沢なんかして、、、みたいな感情。

あと毎週月火行くスラムでは、めっちゃ不衛生で不便な環境の中、家族10人とかが私の部屋の半分のスペースで生活してる。部屋に帰ってくると、ホッとするけど、ああ、私はこんなとこに一人で住んでていいのかな、と思う。(日本人感覚でいうと全然普通の6畳くらいの部屋です)

インドの社会問題はカースト、政治の腐敗、経済格差、人口増加とか、ものすごく色々な問題が絡み合ってて、ちょっとやそっとの対策じゃどうしようもない。膨大な時間と労力といろんなステークホルダーからの働きかけが必要。

 

「インドの社会問題はどうしようもない」と諦めてる人の方が多い。だから、いい教育受けたエリート的インド人は結構海外の大学院に行って住み着いちゃうことも多い。そんな中、外国人として私は何ができるのか、ということをいつも考えています。

 

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実習先:スラム街のこどものための移動教室(バスの中が教室になってる)

 
こんなかんじですね。
「こんなにつらいならもう全部投げ出してしまいたい」とは2週に1回くらいは思うけど、「来なければよかった」とは1回も思ったことないです。不思議だよね〜

結局つらいつらい言うてるけど、なんだかんだむちゃくちゃ順応してるし、ヒンディー語でおじさんとめっちゃ喧嘩するし(よいこは真似しちゃダメだよ)、ここに来たからこそ出会えた素敵な人々がいるし、スラムに私が来た時の子どもたちの笑顔を見たら何もかも報われるよね。