さくらいふ

28歳女ひとり、インドと日本の狭間で

ああシュークリーム

 

f:id:sakura7hara:20181107201435j:plain

ドゥルガープージャというお祭りの偶像

 

早いもので、こちらでの大学院生活が始まって半年が経ちました。
超久しぶりのブログ。毎日をやり過ごすのに精一杯で、この数ヶ月はブログを書く気持ちの余裕がなかった。でも今1ヶ月間の休暇中で、そして今日はディワリという一年で一番か二番目に大きいお祭りなので、人々のお祭りモードが乗り移り課題をする気力が出ないからブログを書こうと思います。

 

こっちでの生活は思いの外スムーズです。生活面は。

インドでの暮らしは慣れてるし、毎日大学院と家の往復なのでトラブルもないし。

勉強面は、「もっともっと頑張らなきゃいけない」という思いは常にあるけど、それがクラスメートについていくためか、試験に落ちないためか、自分自身の成長のためか、それによって頑張るレベルも変わってくる。でもそんなことを考える余裕もなく日々は過ぎるし、一学期は目前の課題をこなしていくことでいっぱいいっぱいだった。

どちらかというと、教室での学びよりもクラスメート達の考え方や価値観の多様性からインドという国、国民の抱えている問題だったり課題だったりを学ぶことの方が多かった。例えば、カースト制度はインドでは法的には廃止されていると思っている日本人は多いかもしれないけど、正確には「カースト制度を理由とした差別」は禁止しているけど制度そのものは禁止していない。カースト制度の最底辺に属するSchedule  CasteSchedule Tribe(指定カースト、いわゆるダリットと指定部族)に対しては公的な支援制度があったり、特に農村部では未だに職業の分別など根強く残っている。カースト制は無くなっていないし、これからも無くならないだろうというのが大学院で話した生徒たちの意見。

法律で差別を禁止しているとはいえ、ダリットに対する暴力事件や殺人事件、レイプは後を絶たない。ダリットと他のカーストカップルが駆け落ちして、激情した家族が二人とも殺す、みたいな現代の日本人にはちょっと理解しがたい事件もざらにある。

うちの大学院は多分インド内でも有数のリベラルな大学院なので、学内では目に見える差別はないけど、ダリットの人たちはダリットで固まりがちな気がする。生徒の活動団体もあるし。私が思うのは、ダリットの生徒達はやっぱり他のカーストの人々には理解できない、想像もできないような差別を経験していたり、独自のアイデンティティが強くある。あと、私が勝手に感じているだけかもしれないけど、他のカーストの人々に対して「結局私たちの問題はあなた達にはわからないでしょ」みたいな線を引いている気もする。

生徒の間でもカーストに関する考えは様々で、指定カーストと指定部族に対する支援制度をよく思っていない人々も多い。この制度は、reservationと言って大学の入学時や政府関係の就職時に彼らに対するある程度の枠が保証されている、というもの。インドは人口が多いし良い大学や政府関係の仕事は超絶狭き門なので、他のカーストの人々からこの特別枠に対する不満が募るのも、まあ分かる。「なぜ能力主義じゃないの?不公平だ!」という意見と、「私たちは長い歴史の間ずっと差別され、教育も仕事も権利を剥奪されてきたから、今権利がある程度保証されているのは当然だ」という意見の終わらないぶつかり合い。簡単に白黒つけられる問題じゃないね。

カーストだけじゃなくて、インドの社会問題は白黒つけられる問題じゃないものばっかり。様々な歴史的背景や文化、価値観、貧困、腐敗などの問題が複雑に絡み合っている。

なんかまあ真面目な話ばっかしてるけど、私の学んでいるソーシャルワークはこうゆうことを学ぶ学部なのでね。

まあでも真面目にこうゆうことばっかり考えてるとほんと疲れる国ですよここは。学問として学ぶだけじゃなくて、すぐそこの路上に、近所に問題があるからね。

 

忙しくて自分に余裕がないと、インド人の嫌なとこ(順番を守らない、時間を守らない、声がでかすぎるなど)ばっかり目についてほんと辟易したりするけど、インド人の優しさとか、楽天主義なとこにも救われてなんとか生き延びた一学期だった。

睡眠削って、ありとあらゆる時間を削って、インスタントヌードル食べて、訳のわからない科目の試験勉強を徹夜でしている時とか、何でこんなことしてるんだろうって泣けてきたことも今となっては思い出だし、また次の学期も同じ状況に追い込まれることは目に見えている。笑

「まあ何とかなるやろ」って気持ちが一番大事。別にこの試験失敗しても追試あるし、別にこの課題の評価悪くても単位はあるだろうし、たとえしんどすぎて全部投げ出して退学したとしても、食べていく道もやりたいことを叶える道も他にある、いくらでもある、と思うことによって気持ちの余裕が生まれる。

そしていけるとこまでいけたらいいや、と思う。

この休暇中はバラナシでゆっくりしている。学期中は一度も風邪ひいたりお腹こわすことも無かったけど、休み中は二回も体調崩して寝込んだ。こうやって休み中に体調をリセットして学業に支障をきたさないあたり、自分の体ほんと真面目か!と思う。

あと、日本がちょっと恋しいですね。というか日本食が恋しいです。うどん食べたい。だしすすりたい。コンビニでスイーツ買いたい。シュークリーム食べたい。

脈絡ないブログですみません。

 

f:id:sakura7hara:20181107201438j:plain

バラナシで巻き寿司